今回は、星野源さんの楽曲『化物』の歌詞の意味について考察していきたいと思います。
今やドラマや映画の主題歌をいくつも生み出している大人気シンガーの星野源さんですが、病に倒れて活動を休止していた時期も……!
「化物」はそんな時期にリリースされた一曲なんです。
さらに、亡き名歌舞伎俳優、中村勘三郎さんのことを書いた歌だとか!
楽曲制作のエピソードも交えながら考察していきますよ~!
星野源「化物」読み方は?
「化物」、読み方はもちろん「バケモノ」です。
カブツ、とか読まないでくださいね(笑)
この楽曲は、2013年5月1日にリリースされた、
星野源さんの3rdアルバム『Stranger(ストレンジャー)』の1曲目に収録されています。
引用:http://www.hoshinogen.com/special/stranger/
なんとこの楽曲のレコーディングが終わった直後に、源さんはくも膜下出血で倒れ救急搬送されています。
どれだけ力の入ったレコーディングをしたんだ……。
そして病気療養期間中に「化物」が収録された『Stranger』がリリースされます。
「奈落の底から化けた僕をせり上げていく」など、復活をイメージさせる歌詞が印象的な楽曲なので、
色んな人に「これは星野源復活の歌なんですね」なんて言われたそう。
しかし、本当は違うんです。
倒れる前に収録していた曲ですからね。
実はこの楽曲、今は亡き中村勘三郎さんへの曲だったんです!
詳しくは次の見出しから書いていきますよ~
「化物」は中村勘三郎への曲だった?
今は亡き名歌舞伎俳優、中村勘三郎。
「星野源とどんな関わりが?」と思った方もきっと多いですよね。
実は源さんは2003年に舞台『ニンゲン御破産』で勘三郎さんと共演しているんです。
しかし源さんの当時の役目といえば、カーテンコール時に勘三郎さんの手を引いて舞台までお供する役目、だそう(笑)。
でもその時、あの大人気歌舞伎俳優の勘三郎さんにも悩みがあることに気づいたそうです。
舞台の上ではお客様からの拍手のシャワーを浴びるほどですが、家に帰ってお風呂に入れば独りぼっち。
そのギャップに悩んでいる勘三郎さんに対して、源さんは人間らしさを覚えたそうです。
確かに舞台の上では化け物のようにも見えるほどのパワーを持った人だったそうですからね。
勘三郎さんとの関わりから大きなものを得て、この「化物」が生まれたんですね。
この後の考察が楽しみです!
星野源「化物」歌詞の意味を考察!
引用:https://mora.jp/topics/news/post-27891/
それでは、「化物」の歌詞の意味を考察していきましょう!
歌舞伎用語を交えながら歌われるこの楽曲は、まさに勘三郎さんの孤独とパワーを描いた一曲です。
勘三郎さんがどんな「化物」だったのか想像しながら聞いてみてくださいね!
今日もまたもらった両手の雨を
瞳の中に仕舞って
明日またここから幕が開くまで
一人お家へ帰る風呂場で泡立つ胸の奥騒ぐ
引用:「化物」作詞作曲/星野源
「両手の雨」は観客からもらう拍手のことでしょう。
スタンディングオベーションで観客が拍手してくれている様子をその目に焼き付けます。
しかし帰る時は独りきり。
そしてお風呂に入りながらその日の演目、貰った拍手を一人思い出します。
誰かこの声を聞いてよ
今も高鳴る体中で響く
叫び狂う音が明日を連れてきて
奈落の底から化けた僕をせり上げてく引用:「化物」作詞作曲/星野源
さっきまで舞台の上で大声を張り上げていたはずなのに、風呂場で一人でいると無性に誰かに声を聞いてほしくなる。
体の中で叫びたい言葉、叫びたい声が自分を高ぶらせて、また次の日に舞台の上で狂うほどの演技をすることができます。
「奈落の底」は実は歌舞伎用語。
舞台や花道の地下のことを「奈落」と言います。
よく役者さんが舞台の下から登場することがありますよね。
あれは奈落から上がってきてるんですよ!
ここの「奈落の底から化けた僕をせり上げてく」という歌詞は、もちろんメイクを施し衣装を身に纏った役者さんが奈落の底から上がってくる様子を歌っています。
しかし、自分の中の奥底から沸き立つ何かが、次の日に化けた自分をせり上げる、という意味にも捉えられそうですよね。
舞台の上にいる時と家で一人の時とのギャップを表しています。
星野源「化物」2番 歌詞の意味は?
何気ない日々は何気ないまま
ゆっくり僕らを殺す
そしてまた変わらず何も起こらず
一人お辞儀で帰る
それでも始まる逆襲の予感引用:「化物」作詞作曲/星野源
お芝居は基本的に台本があって、セリフも演技も決まっています。
そして、日常も家に帰ってお風呂に入って…、と、同じことの繰り返し。
舞台と私生活を行ったり来たり、変わらない毎日を過ごしています。
それでも、何かの「逆襲」の予感がしています。
今の自分に対する次の自分の逆襲かな?と思いました。
今はこの声は届かず
未だ叶わぬ体中で藻掻く
思い描くものになりたいと願えば
地獄の底から次の僕が這い上がるぜ引用:「化物」作詞作曲/星野源
一人でいる時に体の中を駆け巡る声。
今は届かず、と言っているのは、舞台の上までに上がるまでは届かない、という意味でしょうか。
思い描くものになりたいと願うことによって、次々と新たな自分が這い上がってきます。
ここも奈落の底から歌舞伎役者が登場する様子と掛けてありますね(^^)
誰かこの声を聞いてよ
今も高鳴る体中で響く
思い描くものが
明日を連れてきて
奈落の底から
化けた僕をせり上げてく
知らぬ僕をせり上げてく引用:「化物」作詞作曲/星野源
「思い描くものが明日を連れてくる」という歌詞は、夢そのものが実現されたくて明日を連れてくる、といったイメージができますよね。
思い描くものが現実に変わろうとしています。
「化けた僕」や「知らぬ僕」は、今の自分ではなく新たな自分のこと。
夢を描けば描くほど、その夢に向かって進化していく自分のことを歌っていますね。
星野源「化物」歌詞の意味は? まとめ
引用:http://www.hoshinogen.com/
いかがでしたか?
「化物」は、恐ろしいほどのエネルギーを持つ勘三郎さんを表したタイトルだったんですね。
同時に、家で一人孤独を噛みしめているのに舞台の上では一変する勘三郎さんのことも歌っていました。
この楽曲の歌詞を書いている最中に勘三郎さんは亡くなられたそうです。
源さんもその後にくも膜下出血で倒れますが、後遺症もなく復帰。
その際に源さんはこう思ったそうですよ。
「勘三郎さんが天国から自分を戻してくれて、『この曲は僕のために作ったけど源ちゃんの歌にした方が良いよ』って言ってくれたような感じがして」
引用:https://www.musicvoice.jp/news/20170411061764/
自分ではない誰かのことを歌った歌が自分に還元されて応援歌になるって素晴らしいですね!
以上、星野源「化物」の歌詞考察でした!!