今回はYOASOBIの楽曲、「もう少しだけ」の歌詞の意味について考察していきたいと思います。
「小説を音楽にするユニット」として活動している彼らが今回手掛けたのは、「おはよう」をテーマにかかれた小説。
朝に聞きたくなる爽やかなテンポと小説の物語を忠実に表現している歌詞は、聞く人の気持ちをほっこりさせるような、そんな優しさ溢れる楽曲となっています。
またAyaseさんの遊び心ある曲のからくりにも注目してみていきましょう。
YUZU科
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YOASOBI「もう少しだけ」はどんな曲?
YOASOBI「もう少しだけ」
もう少しだけ もう少しだけ
踏み出せたのなら
そう小さな優しさを
分け合えたのなら
ありふれた一日が
素敵な日になっていくほら
そうやって何度でも
喜びはめぐる慌ただしく過ぎる朝に
いつも通り過ぎる朝に
頼まれたお使いと予定を照らす
君が教えてくれた
あてにしない占いの言葉
「いつもしないことを」だってそんなことを頭の隅に置いたまま
いつもの今日へもう少しだけ もう少しだけ
踏み出せたのなら
もう少しだけ あと少しだけ
優しくなれたのなら
ありふれた一日も
素敵な日になっていくような
そんな気がしたんだ
今喜びはめぐる暗いニュースが流れる朝に
気持ちが沈んでいく朝に
自分は「いらない」存在?
なんて考える朝に
あなたのことを思い出したんだ
あなたに会いたくなったんだ
久しぶりに会いに行くよ
今すぐに待ちに待ったそんな朝に
想いを馳せる日の朝に
いつもより早く家を出る
不意に触れた誰かの優しさが
私の優しさに変わったんだ
ほら喜びはめぐるもう少しだけ もう少しだけ
踏み出せたことが
もう少しだけ ほんの少しだけ
優しくなれたことが
ありふれた一日を
特別な日にほら
変えてくれたんだきっと
今日もあなたから私へと
思いが伝わる
そう僕から君にほら
喜びが広がる
ありふれた毎日から
踏み出した優しさが今
誰かに届いてきっと
めぐり続けるんだずっと
どこまでも今日もどこかであなたが
今を生きるあなたがただ
小さな幸せを
見つけられますように引用:YOASOBI「もう少しだけ」歌詞
2021年5月10日(月)に配信リリースされたこの楽曲は、朝の人気番組「めざましテレビ」のテーマソングとなっています。
今回の楽曲制作のために小説投稿サイトのmonogatary.comとめざましテレビは共催で「夜遊びコンテストvol.3 withめざましテレビ」を実施。
総応募数5605作品の中から大賞に選ばれた小説「めぐる。」(千春 著)をもとに書き下ろされました。
作詞作曲したYOASOBIのAyaseさんとボーカルのikuraさんは、楽曲に対して下記のようにコメントしています。
Ayase
「楽しみながら曲を制作させていただきました。無事に完成した達成感と、“良い曲を作ったな”という手応えがあります。歌詞の中には、原作小説の『めぐる。』の登場人物と、小説の中での出来事をちりばめました。 “ちょっとしんどいな”と思う朝や、何かをするのをためらってしまう朝にこの曲を聴いて、“もう少しだけ頑張ってみようかな”という気持ちになってもらえたらうれしいですし、この曲と一緒に良い1日を過ごしてほしいと思っています」
ikura
「『めざましテレビ』のテーマソングとして、聴く人の背中を押せたらいいなと思い、そっと包み込んでくれるそよ風のように歌うことを意識しました。曲のテンポも、歩くスピードと同じくらいの心地よいものになっているので、ぜひ家を出るタイミングで聴いていただけたらうれしいです。皆さんの朝に寄り添える曲になることを願っています」
引用元:https://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/
原作小説『めぐる。』とは?
原作小説「めぐる。」は、緊急事態宣言下の生活に不満を持った「会社員男性」「おばあさん」「女子高生」のそれぞれ3人が、朝のニュースでながれた占いの言葉をきっかけに「小さな優しさと幸せ」を分かち合う物語です。
配信ジャケットにも「女子高生」と「朝のニュース」の様子が描かれいて、ここでも小説の内容が忠実に表現されていますね。
それではここからは小説のあらすじ内容にそって歌詞の意味を考えていきたいと思います。
※一部ネタバレが含まれていますのでご注意ください。
YOASOBI「もう少しだけ」歌詞の意味を考察してみた
「もう少しだけ」に込められた思いとは?|頭サビ
もう少しだけ もう少しだけ
踏み出せたのなら
そう小さな優しさを
分け合えたのなら
ありふれた一日が
素敵な日になっていくほら
そうやって何度でも
喜びはめぐる引用:YOASOBI「もう少しだけ」歌詞
冒頭のイントロからいきなりサビで始まるこの曲。(イントロについては最後に種明かしをするので、お楽しみに。)
まずサビとタイトルにもなっている「もう少しだけ」についてですが、Ayaseさんは歌詞だけでなく、曲そのものでもメッセージを伝えることで有名です。
いきなり2回も繰り返され、歌詞の中でも何度もでてくるこの言葉。
これはこれからご紹介する3人の主人公たちの「優しさの連鎖」を表現をしているのではないでしょうか。
物語は「誰かにされた優しさ」が「自分の喜び」へ。
そしてその喜びが「誰かのための優しさ」へと繰り返され「幸せ」につながっていきます。
「もう少しだけ」という言葉を何度も使う意味は、人と人とのつながりから「幸せ」は繰り返しめぐっていく、ということなのでしょう。
いつもと変わらない日常は少し退屈?|Aメロ
慌ただしく過ぎる朝に
いつも通り過ぎる朝に
頼まれたお使いと予定を照らす
君が教えてくれた
あてにしない占いの言葉
「いつもしないことを」だってそんなことを頭の隅に置いたまま
いつもの今日へ引用:YOASOBI「もう少しだけ」歌詞
物語の最初に登場するのは、小学生の娘をもつ会社員の男性。
場面は、会社に行く前の朝の様子から始まります。
テレビから流れるのは今日も新型コロナのニュースばかり。
不要不急という言葉にうんざりしながら、男性は会社へ行く支度をしています。
「進級テストに合格したらケーキをかってほしい。」
スイミングスクールに通っている娘からはそんなお使いを頼まれます。
そして「お父さん、占いね、今日はいつもとは違うことをするといいって。ラッキーアイテムはバスだよ。」
占いをあまり信じていない彼は「試験頑張って。」とそのまま朝の通勤電車へと向かいました。
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