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YOASOBI『夜に駆ける』歌詞の意味は?【生と死の欲動を描く..|タナトスの誘惑】

YOASOBI「夜に駆ける」歌詞の意味は?

今回はYOASOBIの「夜に駆ける」の歌詞の意味について考察していきたいと思います。

この曲は彼らのデビュー曲であり、まさにYOASOBIの代名詞ともいえますね。

単なる恋愛の曲かと思いきやそこにはある伏線が・・・

意味が分かってから聞くと印象がガラリと変わる不思議な曲となっています。

「夜に駆ける」という言葉に隠された本当の意味とは一体何なのか、そして歌詞にはどんな意味が込められているのでしょうか。

詳しく考察していきたいと思います。

 

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YOASOBI「夜に駆ける」はどんな曲?

YOASOBI『夜に駆ける』歌詞

沈むように溶けてゆくように
二人だけの空が広がる夜に

「さよなら」だけだった
その一言で全てが分かった
日が沈み出した空と君の姿
フェンス越しに重なっていた

初めて会った日から
僕の心の全てを奪った
どこか儚い空気を纏う君は
寂しい目をしてたんだ

いつだってチックタックと
鳴る世界で何度だってさ
触れる心無い言葉うるさい声に
涙が零れそうでも
ありきたりな喜びきっと
二人なら見つけられる

騒がしい日々に笑えない君に
思い付く限り眩しい明日を
明けない夜に落ちてゆく前に
僕の手を掴んでほら

忘れてしまいたくて閉じ込めた日々も
抱きしめた温もりで溶かすから
怖くないよいつか日が昇るまで
二人でいよう

君にしか見えない
何かを見つめる君が嫌いだ
見惚れているかのような
恋するような
そんな顔が嫌いだ

信じていたいけど信じれないこと
そんなのどうしたってきっと
これからだっていくつもあって
そのたんび怒って泣いていくの
それでもきっと
いつかはきっと
僕らはきっと
分かり合えるさ信じてるよ

もう嫌だって疲れたんだって
がむしゃらに差し伸べた僕の手を振り払う君
もう嫌だって疲れたよなんて
本当は僕も言いたいんだ

ほらまたチックタックと
鳴る世界で何度だってさ
君の為に用意した言葉どれも届かない
「終わりにしたい」だなんてさ
釣られて言葉にした時
君は初めて笑った

騒がしい日々に笑えなくなっていた
僕の目に映る君は綺麗だ
明けない夜に溢れた涙も
君の笑顔に溶けていく

変わらない日々に泣いていた僕を
君は優しく終わりへと誘う
沈むように溶けてゆくように
染み付いた霧が晴れる

忘れてしまいたくて閉じ込めた日々に
差し伸べてくれた君の手を取る
涼しい風が空を泳ぐように今吹き抜けていく
繋いだ手を離さないでよ

二人今、夜に駆け出していく

引用:YOASOBI『夜に駆ける』

この曲は、2019年12月にYOASOBIのデビュー曲として配信リリースされました。

公開直後から一瞬で話題となり、国内ストリーミングチャートで歴代最速記録の4億回再生数を突破。(2021年3月付)

翌年の2020年12月には紅白歌合戦にも出場していました。

 

楽曲は星野舞夜さんの小説「タナトスの誘惑」をもとに制作されています。

小説は「」という少し暗いテーマが扱われていますが、どこかポップでキャッチーな印象を受けるこの曲について、作詞作曲したAyaseさんとボーカルのikuraさんは以下のようにコメントしています。

Ayase

「『夜に駆ける』は雰囲気が暗かったり、グロテスクなニュアンスをポップなもので包み込むという手法が、今の時代にフィットしたのかなと感じます。今って、ダークストーリーが流行る時代というか、明るいだけのものをみんなが選ばない時代になってるなって、すごく感じているんです。そんな時代の背景と、『夜に駆ける』の『ハッピーに思えるんだけどものすごくダークな部分がある』というところが、今の若者に刺さってくれたのかなとは思います」

ikura

「私もそこは共感していて。最近の傾向として、落ち込んだり悲しいことがあったときに『大丈夫、頑張れ』って背中を押してもらうような曲よりは、同じだけ悲しんでダークなものが重なり合う部分を持っている曲を聴くことで勇気を持って前に出れたりするのかなと思っています。ネガティブになっている人に対して、ポジティブなものを出すよりも、ネガティブなものを出したほうがプラスになるっていう流れは、もしかしたらあるのかなと思います」

引用元:https://signal.diamond.jp/articles/-/419

 

小説「タナトスの誘惑」とは?

それでは次は楽曲の元ネタとなった小説について少しご紹介します。

物語は、自殺しようとする彼女を主人公が引き留めるシーンから始まります。

 

「生」の欲動と「死」の欲動。

世の中の大半の人は、「生」の欲動があり、人生をよりよく生きていこうとします。

 

しかし彼女は「死」の欲動が強く、「死神」という存在にいつも気を取られているようです。

そんな彼女と一緒に生きていきたい主人公は、必死に自分の思いを伝えますがなかなかそれは届きません。

 

ただ、彼女は自殺しようとする日は決まって主人公に連絡しているのです。

彼女が彼に本当に伝えたいこととはいったい何なのか。

 

物語の結末は衝撃の展開を迎えます。

5分ほどで読める短編小説ですが、「生」と「死」について考えさせられる非常に奥が深い作品となっています。

 

MVの右上の数字は何を意味する?

MVにも面白い仕掛けが隠されており、よくみると左上に「第1章」、右上には「1~1000」までの数字が進む様子が描かれているのです。

実はこれ小説と密接にリンクしており、数字は「ページ数」を表しているのではないかと言われています。

Twitterでのファンからの質問に対して、Ayaseさんは「あえて答えは伏せておこうかな、ありがとうねっ」とコメント。

公式な答えは謎のままですが、「小説を音楽にするユニット」として活動していることからしても、音楽そのものを一つの物語のように感じてほしい。

そんな意図が込められているのかもしれませんね。

YUZU科

ちなみにこの「夜に駆ける」以外にも「あの夢をなぞって(第2章)」、「たぶん(第3章)」、「アンコール(第4章)」のMVにも同様の数字が描かれています。

 

YOASOBI「夜に駆ける」の歌詞の意味とは?

それでは早速歌詞の意味を考察していこうと思いますが、その前に。

実はこの曲は同じサビのフレーズが存在していないのです。

 

イントロ/1番/2番/ラストのサビがすべて違う歌詞で成り立っており、曲そのものが一つのストーリーとして描かれています。

冒頭もいきなりサビから入りますが、それは、小説でいう「序章」を意味しているのではないでしょうか。

 

何度かYOASOBIさんを考察していますが、毎回どこか仕掛けが隠されており、Ayaseさんさすが、としか言いようがありません。

余談が多くなりましたが、それでは本編を見ていきましょう。

空に溶ける思いとは/頭サビ

歌詞イメージ

沈むように溶けてゆくように
二人だけの空が広がる夜に

引用:YOASOBI『夜に駆ける』

この冒頭の歌詞、どこかどんよりとするような少し謎めいた表現ですよね。

実はこれ曲の最後に一気に伏線回収がされるための重要なキーワードとなっています。

それついては考察の最後にまとめようと思いますが、いきなりYOASOBIさんらしさ満載の独特の世界観が伝わりますね。

ちなみに「二人だけ」というのは、小説にでてくる主人公(男)と主人公が恋している彼女のことです。

彼女のさよならの意味は/1番Aメロ

 

「さよなら」だけだった
その一言で全てが分かった
日が沈み出した空と君の姿
フェンス越しに重なっていた

初めて会った日から
僕の心の全てを奪った
どこか儚い空気を纏う君は
寂しい目をしてたんだ

引用:YOASOBI『夜に駆ける』

原作小説の内容は「」をテーマとしています。

「さよなら」というのは、自殺しようとしている彼女からのメッセージ。

二人が初めて出会ったのも、屋上で彼女が飛び降りようとしている時でした。

「僕の心の全てを奪った」と、彼は彼女に一目惚れしたようですね。

どこかミステリアスで寂しそうな女性って男性だったら妙に惹かれるのではないでしょうか。

彼女が見ている世界は/Bメロ

歌詞イメージ

いつだってチックタックと
鳴る世界で何度だってさ
触れる心無い言葉うるさい声に
涙が零れそうでも
ありきたりな喜びきっと
二人なら見つけられる

引用:YOASOBI『夜に駆ける』

この世界の現実は、いつも忙しなく心無い言葉で溢れている。

そんな世界が嫌なのだろう。

主人公は彼女に対してそんなことを思っているのではないでしょうか。

この世界から救ってあげたい。

僕と一緒なら乗り越えていける。

そんなメッセージをここでは伝えています。

夜に溶けていく彼女の手を掴んで/1番サビ

歌詞イメージ

騒がしい日々に笑えない君に
思い付く限り眩しい明日を
明けない夜に落ちてゆく前に
僕の手を掴んでほら

忘れてしまいたくて閉じ込めた日々も
抱きしめた温もりで溶かすから
怖くないよいつか日が昇るまで
二人でいよう

引用:YOASOBI『夜に駆ける』

「思いつく限り眩しい明日を」

この表現は、本当に素敵ですよね。

主人公からして見たら、彼女が見えている世界はずっと真っ暗で何も見えていない。

だから自殺しようとしているんだろうな。

彼女にもっと明るい世界を見せてあげたい。前を向いて一緒に生きていきたい

この先の未来に僕が連れて行ってあげるから。

そんな主人公の思いは、彼女に対しての永遠の誓いのようにも感じますね。

▼2番の歌詞の考察へ▼

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