ドラマやアニメの主題歌など、様々な名曲を生み出している『BUMP OF CHICKEN』
共感できる美しい歌詞や上質なライプパフォーマンスなど、魅力にあふれたバンドですよね。
今回はそんな『BUMP OF CHICKEN』の楽曲から、3rdシングルの表題曲としてリリースされた『天体観測』の歌詞の意味を考察していきます。
BUMP OF CHICKEN「天体観測」は雨の歌だった?
様々な解釈ができる『天体観測』の歌詞。
恋愛ソングと解釈する方が多いと思いますが、実はあるインタビューにおいて、ボーカルの藤原基央さんは、天体観測は雨の歌であり、答えのないことの答えを探す歌、といったニュアンスの発言をしています。
この発言を頭に入れて歌詞を眺めると、また新しい発見があるかもしれないので、是非見てみて下さいね!
また『天体観測』は2001年3月14日にリリースされた楽曲で、3枚目のアルバムである『jupiter』と、ベストアルバムである『BUMP OF CHICKEN I <1999-2004>』にも収録されています。
そして累計売上が50万枚を超えており、youtube公式チャンネルの動画も7000千万回再生されていることから、『天体観測』と『BUMP OF CHICKEN』の高い人気がうかがえますね。
ちなみに、シングルCD・アルバム・ベストアルバムのそれぞれに、隠しトラックが入っているので要チェックですよ!
BUMP OF CHICKEN「天体観測」歌詞の意味を考察。
藤原基央さんが雨の歌、答えのないことの答えを探す歌と公言している『天体観測』
その点に注目して、早速歌詞を見ていきましょう!
午前二時 フミキリに
望遠鏡を担いでった
ベルトに結んだラジオ
雨は降らないらしい引用:「天体観測」作詞/藤原基央
多くの人が眠りについている時間(午前二時)。
主人公はラジオや望遠鏡を持って外にいるようです。
そのラジオから聞こえてくる、雨は降らないという情報は、何を示しているのでしょうか。
二分後に君が来た
大袈裟な荷物しょって来た
始めようか天体観測
ほうき星を探して深い闇に飲まれないように
精一杯だった
君の震える手を
握ろうとしたあの日は引用:「天体観測」作詞/藤原基央
少し時間が経過すると、沢山の荷物を背負った君が現れます。
どうやら一緒に天体観測へ出掛けるようですが、目的はほうき星=彗星を探すこと。
何かに怯えているのか、君の手は震えています。
背負っている荷物=君が怯えているもの、と推測できますが、具体的には、親に黙って家を抜け出していること、夜の暗闇、などが考えられますね。
もしくは、天気予報が外れて雨が降り、天体観測ができない悲しさ&寒さが震えている原因、というのもあり得るかもしれません。
見えないモノを見ようとして
望遠鏡を覗き込んだ
静寂を切り裂いて
いくつも声が生まれたよ
明日が僕らを呼んだって
返事もろくにしなかった
「イマ」という ほうき星
君と二人追いかけていた引用:「天体観測」作詞/藤原基央
望遠鏡を使用して、何かを見ようとした二人。
求めていたものが見つかったのかは分かりません。
しかし主人公は、明日のことなど考えずに、すなわち将来のことなど考えずに、君と一緒にイマを生きていたのでしょう。
BUMP OF CHICKEN「天体観測」2番 歌詞の意味は?
生まれたら死ぬまでずっと
探している
さぁ始めようか 天体観測
ほうき星を探して引用:「天体観測」作詞/藤原基央
ほうき星とはイマのことですが、それを死ぬまで探し続けている、ということは、決して捕まえることのできないもの、と定義できますね。
具体的にいうと、例えば人生、人生の意味などでしょうか。
今まで見つけたモノは
全部覚えている
君の震える手を
握れなかった痛みも引用:「天体観測」作詞/藤原基央
イマそのものを見つけることはできないが、それを追い求める過程で、沢山のものを発見しました。
主人公はそれを忘れる事はありません。
そしてイマを追いかける際には、新しい発見だけでなく、痛みも感じました。
発見と同じく痛みも忘れてはいません。
その中には、君と天体観測に出掛けた際、震えていた手を握れなかったことも含まれています。
予報外れの雨に打たれて
泣きだしそうな君の震える手を
握れなかったあの日を引用:「天体観測」作詞/藤原基央
君と天体観測に出掛けた際、雨は降らないとラジオは言っていましたが、実際には降ったようです。
君が震えていた理由は、雨に打たれて寒い、ということもあるでしょうが、せっかく主人公と天体観測に出掛けたのに、台無しになってしまって悲しい・悔しい、というのが一番の理由でしょう。
見えているモノを見落として
望遠鏡をまた担いで
静寂と暗闇の帰り道を駆け抜けた
そうして知った痛みが
未だに僕を支えている
「イマ」という ほうき星
今も一人追いかけている引用:「天体観測」作詞/藤原基央
予想だにしなかった雨により、望遠鏡を覗いても期待したものは見えませんが、主人公には見落としてはいけないものがありました。
それは君の存在です。
午前二時に(恐らく)家族に内緒で外に出掛けるのだから、お互いに相当な覚悟を持って行動しているはずです。
君も主人公に好意を持っていたのではないでしょうか。
しかし主人公は、それに気付くことはなく、もしくは上手に応える事が出来ずに、1人になってしまいました。
とはいえ、君の存在が全く無意味だったわけではなく、手を握れなかった痛みが、主人公の現在をサポートしています。
もう一度君に会おうとして
望遠鏡をまた担いで
前と同じ午前二時
フミキリまで駆けてくよ
始めようか天体観測
二分後に君が来なくとも
「イマ」という ほうき星
君と二人追いかけている引用:「天体観測」作詞/藤原基央
かつての状況を再現して、再び君に会いたいと願います。
当時のように、二分たっても君は来ませんが、痛みが君の代わりとなって、二人でイマを追いかけていきます。
それは彗星だけでなく、人生そのものを意味しているのでしょう。
BUMP OF CHICKEN「天体観測」歌詞の意味は? まとめ
予報外れの雨が降らず、良好な天気の中で天体観測を行っていれば、君との関係は現在も続いていたかもしれません。
しかし、それはタラレバの話であり、実際にどうだったのかは永遠に分からないことです。
これが、答えのないこと、だと推測できますが、主人公は諦めずに探し続けています。
君の手を握れなかった痛み、それを君と捉えてイマを追い求めている主人公は、いつの日か、自らが納得できる答えを見つけるかもしれませんね。
以上『天体観測』の歌詞の意味の考察でした!