米津玄師「TEENAGE RIOT」2番Aメロ 歌詞の意味
しみったれた面が似合うダークホース
不貞腐れて開けた壁の穴
あの時言えなかった三文字
ブラスバンド 鳴らし出すメロディー引用:「TEENAGE RIOT」作詞作曲/米津玄師
ダークホースとは、競馬で使われる言葉で、予想外の活躍をして番狂わせをする可能性を秘めた馬のこと。この時点では、まだ結果は出していないが、その未知なる可能性を秘めたという意味。
『しみったれた』というのは、「ケチくさい・出し惜しみをする」という意味なので、内に闘志を秘めているものの、形に出来ていない様子を感じます。「今に見てろよ・・」という感じかもしれませんね。
不貞腐れて開けた壁の穴には、私にも心当たりがありますね。ぶつけようのない感情を物に当たるというのは、誰もが経験することなのではないでしょうか?(ちなみに私はふすまを蹴破って親にシバかれました(笑)・・。)
ここで一番気になるのが、「あの時言えなかった3文字」という歌詞。3文字といってもいろいろありますので、悩むところです。
- つらい
- きつい
- きらい
- ウザイ(←これは違うか?)
ネガティブな感情だけで考えると これらの言葉かもしれませんが、ここの歌詞では「あの時言えなかった」というように、過去を悔やんで表現している部分です。
そう考えると、反抗期に一番言えない3文字は『ごめん』ではないでしょうか?それなら自然と「不貞腐れて開けた壁の穴」に掛かってきますね。
そんな素直になれない多感な時期に没頭したのが、バンドだったのでしょう。
米津玄師「TEENAGE RIOT」2番Bメロ 歌詞の意味
真面目でもないのに賢(さか)しい顔で
ニヒリスト気取ってグルーミー
誰も聴いちゃいない そのDコードを
それでもただ信じていたんだ引用:「TEENAGE RIOT」作詞作曲/米津玄師
賢しいというのは、才能が有るかのように見せるさま。「小賢しい」と使われることはよくありますね。「真面目でもないのに賢いふりをして」という意味です。
『ニヒリスト』というのは、ニヒリズム(虚無主義:きょむしゅぎ)な人のこと。全てにおいて否定的な考えをする人のことです。
『グルーミー』というキャラクターもいますが、意味としては、陰鬱で、陰気なさまを表現する言葉。どちらも同じような意味になりますね。
「そんなことに何の意味があるの?」という、まさに反抗期真っ只中の10代に当てはまる部分。ここでは、とくに世の中に対して言っている気がします。
米津玄師さんは、ラジオでも「自分は卑屈な人間だ」と言っていました。幼少期、周りと馴染めなかった経験がそんな自分を作ってしまったのかもしれません。
そんな彼にとって、音楽こそが心の支えだったのかもしれません。
ちなみに、「BUMP OF CHICKEN」の『天体観測』は、Dコードで始まりますね。
米津玄師「TEENAGE RIOT」2番サビ 歌詞の意味
よーいドンで鳴る銃の音を
いつの間にか聞き逃していた
地獄の奥底にタッチして走り出せ
今すぐに 誰よりひとりでいるなら
誰より誰かに届く歌を
歌えるさ 間の抜けた
だけど確かなバースデイソング引用:「TEENAGE RIOT」作詞作曲/米津玄師
受験、就活・・。周りが一斉に走り始めているのに、自分だけがそれにすら気づいていなかった・・。
皆と同じように進み出すことができなかった、劣等感を感じている部分ですね。まさに地獄だったのでしょう。
でも、地獄の底にいるのなら、あとは登るだけ。それをバネにして走り出せ!と、ポジティブな感情に変化していきます!
過去の自分への呼びかけとともに、今 悩みを抱える10代へ鼓舞する表現にも感じますね。
多くのアーティストがそうであるように、実はネガティブを抱えているからこそ、ポジティブな歌詞が書けるのだそうです。
繊細で、壊れ安い感性を持っているからこそ、人の気持ちが理解できる。それこそが個性であり、強みなのですよね。
10代の心に寄り添える、力強くも温かい歌詞です。
米津玄師「TEENAGE RIOT」Cメロ 歌詞の意味
持て余して放り出した叫び声は
取るに足らない言葉ばかりが
並ぶ蚤の市にまた並んでいく
茶化されて汚されて恥辱(ちじょく)の果て
たどり着いた場所は何処だ引用:「TEENAGE RIOT」作詞作曲/米津玄師
「持て余して放り出した叫び声」は、今までの曲へ込めてきた歌詞のことだと思います。
『蚤の市』というのは、フランスパリの路上で行われる古物市のこと。日本で言うところの、フリーマーケットのような感じですね。
どんなに想いを込めて叫んだ歌も、取り上げる価値もなく、路上に並ぶ商品のように埋もれていく・・。
きっと今のミュージックシーンのことを表現しているのではないでしょうか?
人に馬鹿にされ、自分が信じてきたものを否定され、恥辱の果てにたどり着いたこの場所。前作の『Lemon』で空前の大ヒットを記録した米津玄師さんがたどり着いた、現在のことだと思います。
何度だって歌ってしまうよ
どこにも行けないんだと
だからこそあなたに会いたいんだと
今、今、今。引用:「TEENAGE RIOT」作詞作曲/米津玄師
人に共感されようが、どう解釈されようが、何度だって歌ってしまう。きっとそんな気持ちなんだと思います。
周りからの評価だけが一人歩きしている現状で、なかなかたどり着けない「思い描いていた自分」。今、自分がどこにいるのか見失いそうになっているのかもしれません。
今までの楽曲でも度々描かれてきた、「どこにも行けない」という歌詞。自分と戦い続けているのだと思います。
だから、それを再確認したい。
だから、あの時の、純粋に音楽に熱中していたあなた『あの時の自分』にもう一度会いたい。
今の米津玄師さんにとって、それが願いなのかもしれません。
米津玄師「TEENAGE RIOT」ラスサビ 歌詞の意味
ここは1番の繰り返しの部分ですが、ここではもうひとつの『バースデイ』の意味について解釈していきます。
米津玄師さんは、雑誌のインタビューで、「『Lemon』によって自分の目標を一個達成できた」と語っています。
『Lemon』によって、自分とは全く真逆の人にまで届くものが作れたというのは、自分の中で「第一章・完みたいなところがある」
じゃあ、次は何をやるか?ってなるじゃないですか。
その結果、『変な自分を認める』ということだったんです。それを誇る必要はないですけど、どこかで認めながら生きていくのが大事なのかなって思うようになりました。
そして、俺はもっとパブリックドメインになりたい。
聴いてくれた人が、俺の曲をその人自身のものだと思ってくれるようなものになりたい。
その為に、ある種ものすごくエゴイスティックじゃないとそういうところに辿り着くことができないとも思うんです。
引用:https://rockinon.com/news/detail/180923
米津玄師さんは、今までより もっと自分のパーソナルな部分を出していくことで、また新たな境地へと進もうとしているのだと思います。
その意味も込めて「バースデイソング」でもあるのではないでしょうか?
米津玄師「TEENAGE RIOT」歌詞の意味は? まとめ
出典元:https://natalie.mu/music/pp/yonezukenshi13/page/2 より引用
いかがだったでしょうか?
過去の自分へ問いかけ、そしてあの時の感情を再認識するとともに、今、悩みを抱える10代の若者へ向けた応援歌でもある『TEENAGE RIOT』
力強くも、米津玄師さんの 優しさが溢れる楽曲なのではないでしょうか?
今の時代にこれだけのメッセージを、しかも影響力のある彼が伝えているんです。
一昔前で言うと、尾崎豊がそれに当たるとは思いますが、いつの時代も若者の心を打ち抜く音楽は心に響きますね。
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