人気シンガーソングライター「米津玄師」さん。
唯一無二の世界観で、若者から絶大な支持を集めています!
今回はそんな米津さんの楽曲「Flowerwall」の歌詞の意味について考察していきたいと思います。
米津玄師「Flowerwall」はどんな曲?
この楽曲は米津玄師さんが2015年1月14日に発売した3rdシングル。
この曲はNiconの「D5500」のCMタイアップにも使われており、アイネクラ
(2ndアルバム「YANKEE」収録)に続くタイアップで、世間に「米津玄師」の名を広めたきっかけにもなっている作品です。
この前にリリースされたアルバム「YANKEE」が、「iTunes Store BEST OF 2014 今年のベスト」というiTunesにおける年間ランキングにおいて「ベストアルバム」として選出されています。
普通ならどんどん曲を書いて、拍車のかかる時期なようにも思えるのですが、
本人としては何も手が付けられない状態で、曲が書けなくなった時期に差し掛かっていたとインタビューで語っています。
MVでは、全体の印象として その曲名通り「花」を連想させるような優しい雰囲気に感じます。
そして、何と言っても「色」!
たくさんの方法で色を表現をしてるのが印象的でした。
そのたくさんの色にどんどん染まっていく米津さん。
この曲が「不確定要素」を歌っているように綺麗なのか、汚いのか、これが芸術なのか…
これは見た人それぞれに違う印象を与える構成になっているんじゃないでしょうか。
米津玄師「Flowerwall」歌詞の意味を考察!
そんな「Flowerwall」ですが、直訳したら「花の壁」ですね。考察を前にこの直訳を更に噛み砕いておこうと思います。
「花」と「壁」に分けた時に感じるのは、POPな印象の花と、冷たい硬いネガティブな印象の壁が共存しているところに違和感を感じます。
綺麗な色とりどりの種類がある花が壁と表現された理由とは一体どういう事なのでしょうか。
この曲はそんな綺麗な優しい花を連想させる、柔らかな抑えられたギターの音色から始まります。では、考察をしていきましょう!
米津玄師「Flowerwall」Aメロ 歌詞の意味
あの日君に出会えた
そのときから
透明の血が僕ら
二人に通い
悲しみも優しさも
希望もまた絶望も
分け合えるようになった引用:「Flowerwall」作詞/米津玄師
ここはそのまま感じ取りましょう。
きっと自分と生きる価値感のようなものを共有できる相手をとの出会いを歌っているのだと思います。
それを「透明な血」→見えないけれど、無くてはならないもの。と表現しているのが米津さんらしいですね。
米津玄師「Flowerwall」Aメロ 歌詞の意味
知りたいことがいくつも
あるというのに
僕らの時間はあまりに短く
あとどれほどだろうか
君と過ごす時間は
灯りが切れるのは引用:「Flowerwall」作詞/米津玄師
きっとこの「君」を失うのが怖いと感じ始めたのがこの場面でしょう。
愛する人ができると「これが永遠に続いたらなー」と思うものだと思います。
それをもう何か感じ取ってしまったのか。
それとも、目の前の現実にそう思わざるを得なかったのか。
「灯りが切れる」と表現しているところは、この曲のバックグラウンドに「命」が関わっている事を連想させます。
米津玄師「Flowerwall」Bメロ 歌詞の意味
君のその声が
優しく響いた
こんな憂いも
吹いて飛ばすように引用:「Flowerwall」作詞/米津玄師
そんな時に、ふと我に帰すのはやはり「君」の存在なのでしょう。
どんなときも愛する人、大事な人の声は自分に何よりも大きく響くのはなんでなんでしょうね。
でも、それが故にその声が聞こえない時は言いようもない不安が襲ってきそうなものですが…
米津玄師「Flowerwall」サビ 歌詞の意味
フラワーウォール
目の前に
色とりどりの花でできた
壁が今立ちふさがる
僕らを拒むのか
何かから守るためなのか
解らずに立ち竦んでるそれを僕らは
運命と呼びながら
いつまでも手を
つないでいた引用:「Flowerwall」作詞/米津玄師
サビに入って、先ほど一度噛み砕いた「花」と「壁」が出てきましたね。
ここでは、目の前にあった幸せ(花)が、今は恐怖や不安(壁)に見えているのでしょうか。
でもこれは本当に壁なのか?あるいは、何かから自分を守っている言わば「バリア」なのか。
無くしたい、崩したいけれど何かそうしてはいけない理由でもあるのでしょうか?
まさに不確定要素を暗示しています。
ここでは、何もわからないながらも、今状況を「運命」という言葉に置き換えます。
ここで注目したいのは、「運命と呼びながら」という点です。
壁が何かもわからないから、とりあえず運命としておくよ。と、言っているように思えます。だってまだ隣には「君」がいますからね。
全てを理解して、受け入れるにはまだ早いのではないでしょうか。
今後どうなっていくのか。運命とはどういうことなのか。続きを見ていきましょう!
米津玄師「Flowerwall」2番Aメロ 歌詞の意味
このあまりに広い
世界で僕たちは
意味もなく同じ場所に
立っていたのに
僕の欠けたところと
君の欠けたところを
何故かお互いに持っていた引用:「Flowerwall」作詞/米津玄師
一番のAメロのようにもう一度「君」の必要性を説いている場面に思えます。
地球上で何億人もいる中で、生まれた場所も時間も違うのに、すでにお互いに支え合える準備ができていたと。
これはまるで生まれる前から決まっていたかのように。意味がないように思えたこの場所が、全て意味のあったものだったように。
そう、それはまさに…
米津玄師「Flowerwall」2番Bメロ 歌詞の意味
どうして僕らは
巡り会えたのか
その為だけに
生まれてきた様な引用:「Flowerwall」作詞/米津玄師
「運命」だと。
目の前にある困難も、目の前にある言いようのない不安の壁はすでに用意されていたのかも知れない。
ここでは伝える言葉に「運命」なんて付けなくても、「その為だけに生まれてきた」というだけで、そう連想させます。
でも、きっとこの運命を悔いているのでしょうね。「どうして」という始まりからこの悔しさや悲しみが伝わってきます。
米津玄師「Flowerwall」2番サビ 歌詞の意味
フラワーウォール
独りでは
片付けられないものだろうと
君がいてくれたらほら
限りない絶望も
答えが出せない問いも全部
ひとつずつ色づいていく離せないんだ
もしも手を離せば
二度と掴めないような
気がして引用:「Flowerwall」作詞/米津玄師
何もしなくても「いてくれるだけでいい。」という気持ちが伝わりますね。不安な時、どうしようもない時は誰かにそばにいてほしいものですよね。
そして、それは今では離してしまえばもう掴めなくなりそうな状況。
離さなくても、離れていってしまうんじゃないかという不安がかなり大きいように感じます。
花の壁を前に手を繋いでいた2人が、その手を離したくない。離れたくないと強く握っているシーンが目に浮かびます。
米津玄師「Flowerwall」Cメロ 歌詞の意味
誰も知らない見たことのない
ものならば今
僕らで名前をつけよう
ここが地獄か天国か
決めるのはそう
二人が選んだ道次第引用:「Flowerwall」作詞/米津玄師
ここで先ほどの壁に向かって歩き出します。
何もわからない。どうしていいかもわからない。それなら自分たちで決めたらいい。運命と呼んだこの壁がなんであろうと、自分たちで決める。
それが2人の運命なんだと、何か決意の現れのように思えますね。
ただ立ち竦んでいた2人が、その手を離す事なく力強く進み始めます。
米津玄師「Flowerwall」ラスサビ 歌詞の意味
フラワーウォール
目の前に色とりどりの
花でできた
壁が今立ちふさがる
僕らを拒むのか
何かから守るためなのか
解らずに立ち竦んでる引用:「Flowerwall」作詞/米津玄師
ここはまだ運命を受け入れなかった、立ち向かえなかった自分たちと対峙していきます。
前はこうとしか思えなかった。でも…
それでも嬉しいのさ
君と道に迷えることが
沢山を分け合えるのが
フラワーウォール
僕らは今二人で
生きていくことを
やめられず笑いあうんだそれを僕らは
運命と呼びながら
いつまでも手を
つないでいた引用:「Flowerwall」作詞/米津玄師
これが2人の運命だと受け入れていきます。
違う場所で生まれた2人が出会ったのも運命。ならば、この先何があってももうすでに決められていた事なんじゃないか。
今目の前にある壁は、自分たち次第で壁にもバリアにもなり得るんじゃないか。
だったら2人でこの先笑いあえるような、そんな道を進んでいく。
というエンディングではないでしょうか。
最後の最後でこの花の壁を「分け合う」という方法で、運命を2人で摘み取って壁を無くしていったこの世界観に脱帽です。
壊すのでもなく、乗り越えるのでもなく、2人が生まれた瞬間から用意されていた壁なら2人で分け合う。これこそが自分たちで決めた運命の受け入れ方だと表現しているように思えます。
まだ見えない未来は不確定要素だからこそ、決めるのは自分自身になる。
だとしたら、冷たい壁のイメージも花のPOPなイメージもそれすらも覆すことができると、ここが当時の 米津さん の心情とリンクしていきます。
米津玄師「Flowerwall」歌詞の意味は? まとめ
如何でしたか?
米津玄師さんの「Flowerwall」。
冒頭で「花の壁には違和感が・・」と言いましたが、最後で見事に「人生の色々(花)な壁」に変換されてしまいました。
これは、実は米津さんのこの時期の自分の心情がすごーく現れた歌詞なんですね。
何も手につかない時期だったと言っていましたが、そんな時期に彼は引越しをすることで心機一転を図ったみたいです。
すると、それ以降はどんどん曲を書き始めていけたそうです!
きっと彼もこのことで、自分が感じている不安や悩みは自分の中からしか生まれない。と感じたのだと思います。
事実、自分のために作る音楽でなくて、誰かに向けて音楽を作るようになったりと、彼の音楽に対する価値観も変わり始めたのもこの時期だそうです。
綺麗に見えるものも、汚く見えるものも、一見何かもわからない芸術的なものも、考え方受け入れ方次第じゃ何にでもなる。
それが受け入れがたい運命でも、自分なりに前に進むことで世界は変わるんだよ。という歌なんだと思います。
誰もが人生で新しいスタートを切る瞬間は色んな想いを巡らせると思いますが、あなたはどんな思い出がありますか?
楽しみにしていたことならばワクワクもするだろうし、少し緊張もするだろうし、もちろんちょっとの不安もあると思います。
そんな時、あなたの目の前はどんな色をしているでしょうか?