今回はAimerの『Black Bird』の歌詞の意味の解釈をしていきたいと思います。
この曲は土屋太鳳さん、芳根京子さんが主演を務めた映画『累』の主題歌となっています。
そんな『Black Bird』の歌詞には、どんな意味が込められているのでしょうか?
Aimer(エメ)「Black Bird」はどんな曲?
『Black Bird』はAimerの15枚目のシングルで、『Tiny Dancers』、『思い出は奇麗で』とのトリプルA面シングルとなっています。
タイトルのBlack Birdとは日本語ではクロウタドリ(黒歌鳥)という鳥のことで、雄は全身が真っ黒、美しい歌声を持つことが特徴です。
「Black Bird」/映画『累-かさね-』主題歌
映画『累』は、土屋太鳳さん、芳根京子さんがW主演を務めた作品です。
キスをすると相手と顔が入れ替わる力を持つ口紅を巡り、二人の少女が女優として成功しようとする姿を描いています。
演技力と美貌、というそれぞれが持つ武器を互いに羨み、欲するために、主人公の二人の醜い心が露わになっていきます。
Aimer(エメ)「Black Bird」歌詞の意味を解釈
それでは、映画『累』の主題歌となった『Black Bird』の歌詞を見ていきましょう。
「Black Bird」A、Bメロ・歌詞の意味
小さな頃の 小さな願いは
誰のためにどんどん大きくなった?Everyone never knows
重ね続けすぎた嘘に
No one finds me
分からなくなるよ Black Bird引用:「Black Bird」作詞/Aimerrhythm
小さな頃に抱いた、小さな願い。
それは、気づかないうちにどんどん大きくなって、いつしか願いを持つことが自由ではなくなりました。
その願いは誰のためのものでしょうか?
自分を偽り誤魔化して生きてきて、本当の自分の姿は誰も知りません。
嘘で塗り固められた今の私から、本当の私を見つけることは、誰にもできません。
「Black Bird」サビ・歌詞の意味
すぐに落ちていきそうだ
まるで一人のステージ
真っ暗闇で 声を枯らすよ I cryきっと空の飛び方なんて
誰も教えてくれなかったよ
真っ逆さまに 海の底に I fall愛されるような
誰かになりたかっただけ引用:「Black Bird」作詞/Aimerrhythm
まるでひとりぼっちで大きな舞台に立っているような孤独感に包まれています。
『累』は舞台や演劇をテーマとしているので、映画の情景と重なるところもありますね。
客席は上演中は真っ暗なため、舞台上から観客は見えません。
だから、誰かに救いを求めるように叫びますが、誰にも届いていないように感じます。
舞台から落ちていきそうな絶望の中、引き上がろうにも私は鳥のように飛べるわけではありません。
何もできず、ただ落ちていくことしかできません。
私が自分を偽り、嘘をついてきたのは、ただ誰かに愛されたかったからでした。
ですがそれも叶わず、ただ海の底に落ちていくばかりです。
「Black Bird」2番A、Bメロ・歌詞の意味
あなたの目なら
歪んだ世界の何もかもが
どんなに綺麗だろういつか叶うと 探し続けてきた朝に
No one finds me
戸惑いながら Black Bird引用:「Black Bird」作詞/Aimerrhythm
嘘をつかず、ありのまま真っすぐ生きてきたあなたには、世界はどんなに美しく見えることでしょう。
いつか私の願いは叶うはずと、そんな日をずっと待っていました。
まだ信じられませんが、私の願いは今日叶ったようです。
「Black Bird」2番サビ・歌詞の意味
不意に消えていきそうだ
急に光り出す景色
真っ赤な太陽 羽根を溶かすの I flyこんな声の鳴き声なんて
誰も気づいてくれなかったよ
真っ黒焦げに 身を焦がして I walk抱きしめるような
あなたになりたかっただけ引用:「Black Bird」作詞/Aimerrhythm
見ている景色が突然光り輝き出します。
太陽は熱く燃え、頑なな羽根を溶かしていきます。
声を発することで、自分がどんな声をしていたのか、初めて知ることになりました。
灼熱の太陽の下、私は飛び方は知りませんが、一歩一歩歩くことは知っていました。
温かい優しさで私を包む、そんなあなたのように私もなりたいと願っていました。
「Black Bird」ラスサビ・歌詞の意味
すぐに落ちていきそうだ
不意に消えていきそうで
真っ暗闇で 声を枯らすよ I cryずっと空の飛び方なんて
誰も教えてくれなかったよ
真っ逆さまに 夢の淵に I fall愛されるような
誰かになりたかっただけ引用:「Black Bird」作詞/Aimerrhythm
暗闇の中、空の飛び方を知らない私はそこから抜け出すことができません。
この暗闇とは、自分のできないこと、持っていないものばかりに目を向けている状況を表しているように思います。
そこばかりに目を向けていると、まるで自分が何も持っていない魅力のない人物のように感じてしまいます。
誰かに愛されること、それだけを夢見ていました。
もしかしたら私の知らないところで、私を愛してくれている人がいるのかもしれません。
しかし、私の狭い世界ではそれに気づくことができず、夢見た景色の中にゆっくりと沈んでいくばかりです。
Aimer(エメ)「Black Bird」歌詞の意味を解釈! まとめ
誰かに愛されたくて、自分を偽りながら生きてきました。
ですが、本当はそんな状況に息苦しさを感じていて、助けを求め、叫んでいました。
真っ暗闇から、鳥のように空に飛び出すことを夢見ていました。
しかし暗闇から抜け出すと、私には空を飛ぶ羽根はありませんが、地面を行くための足があることに気づきます。
誰かに愛されたい、それを願うばかりで、自分が今持っているものが見えなくなってしまっていたのです。
相手の持つものをうらやんで、自分の持つ素晴らしいものを忘れてしまう、という点は、映画のストーリーと重なる部分がありますね。
人のものをうらやむばかりでなく、自分の持つものの素晴らしさに気づくと、もっと世界は光り輝いて見えるに違いありません。