数々のヒット曲やドラマの主題歌なども手がけ、日本中が知る人となった米津玄師さん。
最近では10月に幕張メッセでのライブを成功させ、来年にはアリーナツアーが開催されるなど、破竹の勢いを見せる人気アーティストです!
今回はそんな米津玄師さんの楽曲の中でも、特に世間の注目を集めた『Lemon』のカップリング曲『クランベリーとパンケーキ』の歌詞の意味を考察していきたいとおもいます。
もくじ
米津玄師「クランベリーとパンケーキ」はどんな曲?
https://books.rakuten.co.jp/rb/15330056/
『クランベリーとパンケーキ』は、2018年3月18日に発売されたシングル『Lemon』のカップリング曲として収録されています。
この曲自体にタイアップなどはありませんが、米津玄師さん自身のパーソナルな部分が表現された一曲となっています。
『クランベリーとパンケーキ』は、二日酔いの気分の曲として作られたもの。
動画内の米津玄師さんの語りによると、
「だいたい最近は夜中に飲み歩いてばっかりで朝まで飲んで、ちょっと寝て起きたら窓から日が差し込んできてて、”眩しいなぁ~頭痛い”みたいな最悪な気分になることが日常で多くて、それを音楽にするべきかなと思ってこうなったという感じ。」
引用:米津玄師 と、Lemon。より
とのこと。
人の死をテーマにした『Lemon』とは違い、お酒をテーマにしていることもあって曲調もどこか軽い印象を受ける楽曲ですね!
米津玄師にとってお酒はメガネ?
「メガネ」が視力を補完するものなら、視界をぼやけさせる「お酒」は「逆メガネ」であると語る米津玄師さん。
生きて行く上で過敏になり過ぎた神経を麻痺させてくれて、その結果たどり着くべき目標などを見失わず、一直線にそこに行くことができる、と語っています。
『クランベリーとパンケーキ』に関する語りは25:46辺りから。
以下、米津玄師さんの語りから要約します。
お酒は俺にとっての眼鏡なんですよ。眼鏡がないと文字も読めない。それを補完するものとして眼鏡をかけて、視力が良くなる、神経が過敏になってちゃんと生きていける。お酒はそれの真逆で、生きていく上で神経が過敏になりすぎる瞬間がある。でも、お酒を飲むと、その自意識をうまい具合にしぼませてくれるというか、ばかになって、過敏になった神経が麻痺される。
引用:米津玄師 と、Lemon。より
このように語られています。
詳しい内容については、動画をお聞きください。
『クランベリーとパンケーキ』はカップリング曲ということもあり、MVなどは制作されていません。
そのため、動画サイトには米津玄師さん本人が歌う『クランベリーとパンケーキ』は上がっていないので、カバーを紹介します。
このカバーを歌っているのは、KENDYさん。数々の弾き語りカバー動画を上げており、米津玄師さんの楽曲カバーも多く挙がっています。
フルでカバーしているのはこちら↓
米津玄師「クランベリーとパンケーキ」歌詞の意味を考察
二日酔いの曲とは思えない可愛いタイトルの『クランベリーとパンケーキ』。
果たしてその歌詞の中には、どのような意味が込められているのでしょうか?
気になるその歌詞の全貌を紐解いていきます!
米津玄師「クランベリーとパンケーキ」歌詞の意味
不意に見かけたブロンズの女神の
お臍に煙草擦り付けて笑う
思い返せば馬鹿げている
大体そんな毎日引用:「クランベリーとパンケーキ」作詞/ 米津玄師
曲の一番最初に出てくるブロンズの女神ですが、そのおへそにタバコを擦り付ける行為は、「馬鹿げている毎日」をうまく表現した一文ではないでしょうか。
ブロンズの女神という、「神聖で完成されたもの」に対して、タバコを擦り付けて笑う。
お酒に酔ってバカなことをやってしまったという情景や心理を描いています。
また、「反抗」しているような印象も受けることから、「気だるい空気感の毎日」というようなものを表しているとも言えるのでは?
その日限りの甘い夜を抜け
今じゃ彷徨う惨めな
ストーリーライター
誰かわたしと踊りましょう
なんてその気もないのに引用:「クランベリーとパンケーキ」作詞/ 米津玄師
この楽曲の主人公を米津玄師さん自身とすると、「その日限りの甘い夜を抜け」という歌詞は、「日々忙しい中で手に入れた束の間の休息」と取れます。
「お酒を飲み楽しく過ごした甘い夜」を抜けて、街をさまよっているストーリーライター(=米津玄師)と考えられますね。
そんな甘い夜には「誰かと踊りたい!」と思うほど気分がいいけど、それはその時限りのこと。素面の自分からすればそんな気もないのにな、という客観的な視点で見ているのではないでしょうか。
そんな、浮つきながらもどこか自分は見失っていない、酔っ払っている時独特の心理描写が、「誰か私と踊りましょう なんてその気もないのに」という歌詞から読み取れます。
米津玄師「クランベリーとパンケーキ」歌詞の意味
ヒッピヒッピシェイク
ダンディダンディドンで
クランベリーのジャムでも作ろうね
パンケーキと一緒に食べようね
ほら丁寧に切り分けて引用:「クランベリーとパンケーキ」作詞/ 米津玄師
サビに登場する「ヒッピヒッピシェイク」や「ダンディダンディドン」という擬音語ですが、お酒を飲んで気分がいいことを表しているだけで特に意味はないのではないかと考えます。
しかし、クランベリーについては、花言葉として「癒し」や「慰め」という意味がついています。
それをパンケーキと一緒に食べるとはどういうことなのでしょう…?
ヒッピヒッピシェイク
ダンディダンディドンで
全部頬張って隠してしまえ
やがて熱さにも耐えかねて
嗚呼きみは吐き出した引用:「クランベリーとパンケーキ」作詞/ 米津玄師
次は、先ほどの擬音語の後に「全部頬張って隠してしまえ」という歌詞が登場しました。こちらは、語りでも登場していたような、「逆メガネ」を表しているのではないかと考えます。
お酒を飲むことによって、様々なものがぼやけ見えなくなり、向かうべき目標に一直線にたどり着くことができる。
そんなお酒によってぼやけた様々なものを頬張って隠そうとしますが、隠せるはずもなく、吐き出してしまった。と考えられます。
癒し(=クランベリー)をもたらしてくれるお酒によって、自意識(=パンケーキ)を包み込んで一緒に食べますが、結局はそんな自意識も受け入れなければならず吐き出してしまう、と表現しているのではないでしょうか。
米津玄師「クランベリーとパンケーキ」歌詞の意味
戯れ哀れハメ外すあまり
足滑らせて砂を噛むばかり
憶えちゃいない痣だらけ
大体そんな毎日引用:「クランベリーとパンケーキ」作詞/ 米津玄師
こちらも1番のAメロ同様、よっぱらっている情景描写を表現しています。
米津玄師さん自身、酔っ払って羽目を外し、転んで、カラダ中に身に覚えのない痣があるのでしょうか(笑)。
そんなことを思わせるAメロです。
廃墟だらけのメルヘン市街じゃ
マセガキ達が隠れてキスする
涙交じりの恋になりませんように引用:「クランベリーとパンケーキ」作詞/ 米津玄師
廃墟だらけのメルヘン市街とは、ラブホテル街のこと?
そんな市街の中でマセガキたちが隠れてキスする様子を見て、バカにしているようなニュアンスが見て取れます。
ここでいうマセガキは、本当の子供というより、子供のような成人たちという捉え方ができるのではないでしょうか。
バカな大人たちがする恋愛が悲しい恋にならないように、バカにしながらも成功を願っている心理が考えられます。
米津玄師「クランベリーとパンケーキ」歌詞の意味
ヒッピヒッピシェイク
ダンディダンディドンで
ランドリーまで歩いてこうね
汚れたシーツを洗おうね
ほら丁寧に取り分けて引用:「クランベリーとパンケーキ」作詞/ 米津玄師
このサビでは、「汚れたシーツを洗う」という歌詞になっています。
これは、パンケーキを吐き出し汚れてしまってシーツを洗いに行くそのままの情景を描いていると考えます。
ヒッピヒッピシェイク
ダンディダンディドンで
もう一度浮かれた祈りの方へ
こんな馬鹿な歌ですいません
嗚呼毎度ありがたし引用:「クランベリーとパンケーキ」作詞/ 米津玄師
しかし、シーツを汚したりパンケーキを吐き出したりなど、後悔しつつも「もう一度浮かれた祈りの方へ」向かう。
これは、お酒に飲まれて失敗しつつももう一度逆メガネをかけるため、お酒を飲みに向かう情景を描いているのではないかと考えられます。
先ほどの2番のサビでは、汚れたシーツを洗いに行く哀愁漂う主人公が見て取れましたが、その次の歌詞ではそんなことも忘れてまたノリノリでお酒を飲みに行く。
そんなお酒の魔力のようなものも感じさせるサビとなっています。
米津玄師「クランベリーとパンケーキ」歌詞の意味
微睡んでいたい きみみたいに
この宇宙が 終わるまで
微睡んでいたい きみと一緒に
この世界が 終わるまで引用:「クランベリーとパンケーキ」作詞/ 米津玄師
この楽曲には度々「きみ」という人物が登場しますが、この「きみ」は果たして誰なのでしょう?
「〜しようね」という呼びかけの歌詞が多いことから、「恋人」とも取れますが、今回は、「お酒を飲んで酔っ払っている自分」と捉えて見たいと思います。
シラフの時に、「酔った自分」を思い出して、呼びかけているのではないでしょうか。そのため、このCメロの歌詞は、「お酒に酔った時のようにずっと微睡んでいたい」と考えられます。
米津玄師「クランベリーとパンケーキ」ラスサビ 歌詞の意味
ヒッピヒッピシェイク
ダンディダンディドンで
クランベリーのジャムでも作ろうね
パンケーキと一緒に食べようね
ほら丁寧に切り分けて
ヒッピヒッピシェイク
ダンディダンディドンで
全部頬張って隠してしまえ
やがて熱さにも耐えかねて
嗚呼きみは吐き出したこんな馬鹿な歌ですいません
嗚呼毎度ありがたし引用:「クランベリーとパンケーキ」作詞/ 米津玄師
この曲の一番最後は”嗚呼毎度ありがたし”という感謝を表す歌詞で締められています。
(二日酔いの気分を描いた楽曲、)こんなバカな歌ですいません。嗚呼(ファンのみんな)毎度ありがたし。と捉えられます。
この曲についての語りでも、
「最後の2行が大事な曲。ただのバカな歌じゃないですか。二日酔いになって死にそうな姿を書いただけ」
と語っているので、この最後の2行については米津玄師自身の日頃の想いが詰まっているのでは?
米津玄師「クランベリーとパンケーキ」歌詞の意味は? まとめ
https://otokake.com/matome/nEkNse
いかがでしたか?
米津玄師の大ヒット曲『Lemon』のカップリング曲である、『クランベリーとパンケーキ』を考察してきましたが、米津玄師のパーソナルな部分がかなり表現されている一曲だったと思います。
二日酔いで死にそうな姿を描いたこの曲。お酒に酔った時の心理描写や、お酒を「逆メガネ」と表す米津玄師の考えを読み取れる楽曲でした!



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