米津玄師「Flamingo」2番Aメロ 歌詞の意味
御目(オメ)通り ありがたし
闇雲(ヤミクモ)に舞い上がり
上滑(ウワスベ)り
虚仮威(コケオドシ)し 口ずさみ
うろたえに軽はずみ
阿呆晒(アホサラ)し引用:「Flamingo」作詞/米津玄師
ここからは、江戸の『遊郭の世界』だけでなく、現代にも当てはまる表現が出てきます。
『御目通り』とは、身分の高い人のお目にかかること。遊郭で言うと位の高い『花魁』で、現代で言うところの、人気のトップ『ホステス』といったところでしょうか。
お目当ての女を前にして舞い上がり、本質に気づけていないようです。(あくまで接客だという事を忘れてしまっているのかもしれないですね。)
コケオドシは、見栄を張って中身のない様子。自分を良く見せようとして、見せ掛けだけの中身のない会話をしているのでしょう。
しかし相手はプロの女。結局は話のつじつまも合わずにアホさを露呈することになったのでしょうね。
『愚かで馬鹿な男』をうまく表現している部分です。
米津玄師「Flamingo」2番Bメロ 歌詞の意味
愛しいその声だけ聴いていたい
半端に稼いだ泡銭(あぶくぜに)
たかりだす昼とんび
くだらない
このステージで光るのは
あなただけでも良い引用:「Flamingo」作詞/米津玄師
他の女なんてどうでもいいから、「あなたの声だけを聴いていたい」と男は思っているようです。
ここでは、1対1ではなく、複数の女が席についている状態が想像できます。でもお目当ては『あなた』だけ。
どれだけのお金を用意してこの場にやってきたのかは分かりませんが、『あぶく銭』ということから、正当なお金ではないようです。
『昼とんび』は、昼間に盗みを犯す者や、スリのこと。ですが、ここではそんな金に群がる女たちという意味にも取れます。
そんな程度の低い女ばかりだからこそ、より一層『あなた』が美しく輝きます。
米津玄師「Flamingo」2番サビ 歌詞の意味
それは フラミンゴ
恐ろしや フラミンゴ
はにかんだ
ふわふわ浮かんでもうさいなら
そりゃないね
もっとちゃんと話そうぜ
畜生め
吐いた唾も飲まないで引用:「Flamingo」作詞/米津玄師
そう、それは例えるならば美しい『フラミンゴ』のよう。男を惑わすその魅力は、もはや恐ろしささえ感じます。
はにかんだ『遊女』に見とれているうちに、楽しい時間はすぐに過ぎてしまいます。
時間がくれば、はい終わり。「もっと話したかったのに・・。」
『女』のつれない態度に、思わず暴言を吐いてしまいます「ちくしょうめ。」
このあたりから、『遊女』への愛の形は、歪んだものへと変化していきます。
米津玄師「Flamingo」Cメロ 歌詞の意味
氷雨(ヒサメ)に打たれて
洟垂(カナタラ)らし
私は右手に猫じゃらし
きょうびこの程度じゃ
騙(ダマ)せない
狭間(ハザマ)で彷徨(サマヨ)う
常しえに
地獄の閻魔(エンマ)に申しいり
あの子を見受けておくんなまし
酔いどれ張り子の物語
やったれ死ぬまで
猿芝居(サルシバイ)引用:「Flamingo」作詞/米津玄師
『猫じゃらし』とは、男帯の結び方のこと。結んだ帯の長さを不均等にして、垂れ下げた状態を表します。
しかし、一般的には猫の前で毛をふらつかせ気を引く道具のこと。ここでは女性に対してふらつかせて気を引く物として、『お金』を意味しているのではないでしょうか?
また、猫をじゃらす程度の金しかないという意味にも取れます。
いまどき、その程度じゃなかなか『女』の気を引くこともできず、『遊女』と『客』という関係は永遠に続くことになるのでしょう。
それを悟った男は、『地獄の閻魔』にお願いをします。
「あの子を身請けておくんなまし」つまり、ワケあり家業である『遊女』を開放して、自分の妻にしたいと。
身請けをするには、それなりのお金が必要なので、仕方なく『閻魔様』に願いを乞うたのでしょう。
しかし、『おくんなまし』と、『閻魔』にお願いしているので、自分がというより、閻魔様が身請けてください。という意味にも取れます。自分では身請けられないから、お願いしますというなんとも歪んだ愛の形。
しかも神様ではなく、『閻魔に・・。』というところが、この物語の不純さを表現していてます。なんとも意味深で魅力的なシーンですね。
※おくんなましは、『遊郭』で使われていた言葉で、地方から出てきた遊女の里がバレないようにするために一律にされた話し方。
そして、所詮は『酔いどれ張子の物語』。中身のない、しょうもない男の恋の話なのでした。と、ストーリーテラーのように物語を伝えています。
米津玄師さん本人のコメントにもあったように、「みっともないな~」という部分が、この曲のポイントなんですね。
『遊女』と『男』の下手な芝居のような恋物語。
そんな猿芝居を一生死ぬまでやってればいいさ。
ここで物語は終わりになります。
米津玄師「Flamingo」ラスサビ 歌詞の意味
あなた フラミンゴ
鮮やかな フラミンゴ
踊るまま ふらふら
笑ってもう帰らない
嫉妬ばっか残して
毎度あり
次はもっと大事にして宵闇に爪弾き花曇り
枯れた街 にべもなし
はらへらり引用:「Flamingo」作詞/米津玄師
ここでもう一度1番と同じサビが来て、最後はもういちど最初のAメロが来ます。
MVでもそうなのですが、最初のシーンと最後のシーンが全く同じなんです。
繰り返されるシーンは、『男』が、同じ日々を繰り返すという意味なのかもしれません。
この男の想いが報われることは、きっと とこしえに無いのでしょう。
米津玄師「Flamingo」歌詞の意味は? まとめ
出典元:https://natalie.mu/music/gallery/news/306098/1038362 より引用
いかがでしたか?
待望の新曲ということもあって、公開前から注目を集めていた米津玄師さんの『Flamingo』。
期待を遥かに超える世界観で、いい意味で予想を裏切ってきましたね!!
トップアーティストでありながら、全く媚びないスタイル。そして中毒性の高い音色は、聴く人を魅了し続ける楽曲でした。
米津玄師「Flamingo」は新たなステージへの第一歩。
10月31日にリリースされる『Flamingo / TEENAGE RIOT』
この曲は、2018年に大きな転機を迎えた「米津玄師」さん本人が、さらに前進していくために不可欠な楽曲だったようです。
米津玄師コメント
『普通になりたい』っていうのがひとつ大きな指針としてあったんですけど、“Lemon”でいわゆる自分と真逆のところの人にまで届くようなものが作れたのは、自分の目標を1個達成できた瞬間だったんです。そういう意味でも、2018年は、自分の人生の第1章・完みたいなところはあります。
じゃあ次に何やるかっていう話になるじゃないですか。その結論が、『変な自分をある程度認める』ということだったんです。これまでは、自分が変な人間だということはあんまり意識してなかったし、自分で自分のことを客観的に見られていなかった部分もあって。(略)それを誇る必要はないですけど、どこかで認めながら生きていくのが大事なのかなって思うようになりました。
引用:https://rockinon.com/news/detail/180923
自分を認めた結果、人には受け入れられないような感性さえも、自信を持って表現できるようになったようですね。
他のアーティストとは一線を画す、『米津玄師』の世界観。
これからの活躍から、目が離せませんね!!