米津玄師「Flamingo」歌詞の意味を考察!
鮮やかで美しい印象を受けるタイトルでもある『Flamingo(フラミンゴ)』
しかし、楽曲やMVの世界観は意味深で不気味な印象でした。
果たして、『Flamino』の歌詞にはどんな意味が込められているのでしょうか?
※初めに。
ここでは、風俗の世界で生きる「女」と、その世界にのめり込んでしまった男(客)の物語として考察を進めていきます。
そして時代をさかのぼり、その風俗世界を江戸時代の『遊郭(ユウカク)』のような世界に例えて歌っているようです。
それらを踏まえて考察していきます。
追記!!
『Flamingo』の楽曲に対して、米津玄師さん本人のコメントが公開されました。
米津玄師コメント
この曲は「みっともなさ」をテーマに作りました。
音楽を通すことでしかできない表現ってなんだろう?と常々考えます。
音楽であればしょうもないみっともなさもより深く広く響かせることができます。
みっともないなーとへらへら笑いながら作りました。
引用:https://natalie.mu/music/news/304790
これを踏まえて、考察をご覧頂けると幸いですm(_ _)m
そのみっともなさが、どれほど深く響くのか・・。
読み解いていきましょう!
米津玄師「Flamingo」Aメロ 歌詞の意味
宵闇(ヨイヤミ)に 爪弾(ツマハジ)き
悲しみに雨曝(アマザラ)し
花曇(ハナグモリ)り
枯れた街 にべもなし
侘(ワビ)しげに洟垂(ハナタ)らし
ヘラヘラり引用:「Flamingo」作詞/米津玄師
『遊郭』で遊びを終えたあと、月明かりも感じない、深い闇夜をひとり歩く男(主人公)。
しつこい客として、店から追い出されたのでしょうか?世の中からも虐げられ、まっとうな世界では生きていけない人間のようです。
一見華やかに見えて、枯れ果てたこの街は愛想もなくそっけない。悲しみの雨にさらされている男の心は、曇った空模様のようにモヤモヤしている様子。
ヘラヘラとしたその男は、年齢的にも人としても未熟者なようです。
米津玄師「Flamingo」Bメロ 歌詞の意味
笑えないこのチンケな泥仕合
唐紅(カラクレナイ)の髪飾り
あらましき恋敵
触りたいベルベットの眥(マナジリ)に
薄ら寒い笑みに引用:「Flamingo」作詞/米津玄師
『泥仕合』とは、醜い争いのこと。
お目当ての『遊女』を取り合って、ほかの客とも揉めているのでしょうか?「あいつはあんな奴だ・・。あいつは最低な奴なんだ・・」と、しょうもない争いをしているようです。
『唐紅の髪飾り』とは、鮮やかな紅色をした簪(かんざし)のこと。
当時、これを贈るということは「あなたを自分のものにしたい」という意味だったそう。つまり、愛を伝える手段の一つだったようです。
ちなみに、遊女の中でも位の高い『花魁』は、髪の結も高くなり本数も必要だったとのこと。高価な簪をいくつも付けるにはそれなりの財力が必要だったため、簪はひとつの位の象徴だったようです。
クラスの高い花魁ほど客のプレゼントも多く、たくさん付けることができたとのこと。客にとって『かんざし』の数は「恋敵の数」と言っても過言ではないかもしれませんね。
『ベルベットの眥』とは、なめらかな目尻の意味。そんな位の高いあなたの頬に触れたい・・そんな欲望が描かれています。
そして、その女性の魅力たるや「寒気を感じるほどの瞳と魅力」をしているのでしょう。
米津玄師「Flamingo」サビ 歌詞の意味
あなた フラミンゴ
鮮やかな フラミンゴ
踊るまま ふらふら
笑ってもう帰らない
寂しさと嫉妬ばっか残して
毎度あり
次はもっと大事にして引用:「Flamingo」作詞/米津玄師
『フラミンゴ』が鮮やかな紅色をしているのは、餌となる藻類の色素(βカロチン・カンタキサンチン)によるもの。
孵化した直後の体色は白く、これらを含むプランクトンや藻類(スピルリナ)を摂取することで体色が紅色になる。
(※エビやカニを食べて赤くなるという説がありますが、どうやら違うみたいです(^_^;)・・。)
って、そんな豆知識はさておき。
ここではフラミンゴのように「あなたが徐々に紅色に染まっていく」という意味で表現しています。
『遊郭』にワケアリで連れてこられ、最初は地位も色気もありませんが、徐々にこの世界に染まり色づいていく。
女としても変化していく様を表現しつつ、鮮やかな紅色の着物で踊っている様子が想像できます。
そんな華やかな時間が終わると、言いようのない寂しさが男を襲います。
そして、「次はどの客のところへ行くのだろう」そんな嫉妬心だけが残ります。
「次はもっと大事に、相手にして。」そんな思いを抱きながらお金を払って男は帰っていくのでした。
次は2番に参ります。