YOASOBI「夜に駆ける」2番|歌詞の意味は?
彼女が恋している相手とは/2番Aメロ
君にしか見えない
何かを見つめる君が嫌いだ
見惚れているかのような
恋するような
そんな顔が嫌いだ引用:YOASOBI『夜に駆ける』
しかし、主人公は彼女のことをどれほど知っているのでしょうか。
ここでは、自分のことを何も話してくれない、いつも何かに気を取られている彼女に少し嫉妬しています。
自分のことをもっと見てほしい、知って欲しい、僕のものになってほしい。
そんな主人公の独占欲をここでは感じます。
そして彼女が気を取られている存在は、小説で言う「死神(タナトス)」です。
タナトスというのは、見える人にとっては自分にとっての理想が反映されているようです。
つまり彼女は死神に恋をしているのでしょう。
二人の本当の関係は/2番Bメロ
信じていたいけど信じれないこと
そんなのどうしたってきっと
これからだっていくつもあって
そのたんび怒って泣いていくの
それでもきっと
いつかはきっと
僕らはきっと
分かり合えるさ信じてるよ引用:YOASOBI『夜に駆ける』
いつか自分のことを好きになってくれる。
話し合えば、二人の関係はよくなる。
男女はこういった悩みがつきものですよね。
自分が相手のことを大好きなほど、周りのアドバイスや意見は聞く気になれず、ただ相手が変わってくれるのを待つしかありません。
主人公は本当に彼女のことが好きなのでしょう。
しかし、現実は上手くいかないということも頭ではよく分かっているようです。
主人公の本音とは/2番Cメロ
もう嫌だって疲れたんだって
がむしゃらに差し伸べた僕の手を振り払う君
もう嫌だって疲れたよなんて
本当は僕も言いたいんだ引用:YOASOBI『夜に駆ける』
自分は相手に対して歩み寄っているのに、相手は逃げる一方。
だんだん主人公はなぜ彼女と一緒にいるのか分からなくなります。
気まぐれな言動や態度に少し疲れてしまったようですね。
彼女の正体とは/2番Bメロ
ほらまたチックタックと
鳴る世界で何度だってさ
君の為に用意した言葉どれも届かない
「終わりにしたい」だなんてさ
釣られて言葉にした時
君は初めて笑った引用:YOASOBI『夜に駆ける』
実はここから物語の本当の意味が明かされていきます。
いつも通りの忙しない世界で、今日も主人公は彼女への想いを伝えます。
しかし、そんな思いは相手には伝わらず・・・。
そんな中で、主人公が「終わりにしたい」というセリフを行った時彼女は初めて笑いました。
この瞬間主人公はすべてを理解することとなります。
チクタクと動くこの忙しない世界を終わりにしたいのは「自分」だということを。
実は、主人公はブラック企業に勤めており「忙しない世界」や「心無い言葉」というのは、自分自身が実感していることでした。
そしてずっと愛していた彼女は、そんな主人公の思いから生まれたまさに死の化身「タナトス」だったのです。
そう、主人公は生きているよりも死ぬことに対して魅力を感じるようになっていました。
君が連れていってくれる世界は/2番サビ
騒がしい日々に笑えなくなっていた
僕の目に映る君は綺麗だ
明けない夜に溢れた涙も
君の笑顔に溶けていく変わらない日々に泣いていた僕を
君は優しく終わりへと誘う
沈むように溶けてゆくように
染み付いた霧が晴れる引用:YOASOBI『夜に駆ける』
彼女を助けようと「明るい世界」へ連れて行こうとしていた主人公は、逆に今度は彼女に死の世界へいざなわれています。
「騒がしい日々に笑えない」「変わらない日々に泣いていた」。
これは主人公の本音なのでしょう。
そして、頭サビにあった「沈むように溶けるように」とは主人公自身のことを意味していたのではないでしょうか。
気持ちが沈んでいて、現実世界に流されるままだった僕。
そんな世界から君が救ってくれた。
「染み付いた霧が晴れる」というのは、そんな意味が込められているのではないでしょうか。
夜に駆けるの本当の意味とは/ラストサビ
忘れてしまいたくて閉じ込めた日々に
差し伸べてくれた君の手を取る
涼しい風が空を泳ぐように今吹き抜けていく
繋いだ手を離さないでよ二人今、夜に駆け出していく
引用:YOASOBI『夜に駆ける』
主人公と彼女は一緒に「死」の世界へ。
屋上の風を感じながら二人は飛び降りたのでしょう。
原作小説では、「人は死んだら星になる」といわれています。
つまり、彼らは幾千もある星空の一部になった。
「夜に駆ける」というのは、夜空に向かって二人で駆けていく。
そんな死を連想させる意味だったということですね。
YOASOBI「夜に駆ける」歌詞の意味は? まとめ
https://twitter.com/YOASOBI_staff/status/1408198205196570624
歌詞の意味が分かると少し怖いと思う人もいるのではないでしょうか。
しかし、皆さん「死」というのはどういう意味だと思いますか?
交通事故にあって心肺が停止すること?寿命がきて永遠眠ること?
それらは全て肉体の死を意味しています。
死というのは「生まれ変わる」という意味でも使われます。
例えば、昔は自己中心的な性格だったが、大人になって協調性を求めるようになった人。
食べれないものが急に食べれるようになったこと。
すべて「成長」と言われればそうですが、これは過去の自分が死んだとも言い換えられます。
今の職場に不満をもっていたり、自分に満足していないのであれば、思い切って環境を変えたり自分を捨ててみることも大事です。
そうやって自分自身が生まれ変わったら見える世界もどんどん変わっていきますよね。
ネガティブなテーマをあえて明るい印象で制作された「夜に駆ける」にはそんなメッセージも込められているのかもしれません。
気になる方は、ぜひYOASOBIの「夜に駆ける」と併せて、原作小説の「タナトスの誘惑」をチェックしてみてください。
YUZU科
という訳で今回は以上です。
ご一読いただきありがとうございました。